「人を傷つけるのは、ナイフではなく、それを持つ人間である。
熊は、ナイフを与えても、人を刺さない。
一本のナイフで、何んにでも便利に使えるものはない。
何かが足りない。
多分それを補うのは、持つ人間の想像力なのかもしれない。
しかし、一本の自分のナイフに出会いたくて、形態、大きさ、鋼材の種類と探す。
そのためには、そのナイフを作ってくれる人間も必然である。
そして、私は、その必然のごとく、一人のカスタムナイフ職人と出会った。
栃木県の今市市に住む、福田稔氏である。
出会いは、もう15年は過ぎているだろう。
水戸のワイルドワンというアウトドアのお店に立ち寄ったときに、偶然に出会った。
そのとき、彼は小さなナイフ展をしていた。
その後、12年前私たち家族4人で、」アメリカ横断の旅に出たときに、一つの鹿の角から二
つのナイフハンドルを取り、20センチのシースナイフと25センチの携帯用斧を作ってくれた。
その二つの道具で、2ヶ月間のすべての食事と生活をささえた。
そして今、彼の作った100本のナイフで、個展を開いた。
そのテイブルに並べられた100種類、100本のナイフは、私の心のページを一枚一枚と
めくるように、わたしの目の中に溶け込んでいった。
一つのナイフは、一つの道具として今も使いつづけている。
そして、これからも一本のナイフとともに旅を続けることだろう。」